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【医師監修】乳がん早期発見のためのセルフチェック
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「気になる“しこり”がある」「わきの下や腕がむくんでいる気がする…」乳房周辺の違和感に乳がんという言葉が頭に浮かび、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
乳がんは初期の段階では、全身症状がほとんどみられないため、日頃からセルフチェックをして早期発見することがとても大切です。そこで今回は、より早く見つけるヒントとして、乳がんによくみられる症状と予防策をご紹介します。

 

「これってもしかして?」乳がん初期に気づきたい症状

乳がんは、初期症状がほとんどありません。そのため自身で胸の異変に早く気づくことが、早期発見につながるとされています。まず、乳がん初期に気づきたい症状の特徴をご紹介します。

心配する女性

● 乳がんが発生しやすい部位
乳がんが最も発生しやすいといわれているのは、乳首を中心にした「外側上部」。次いで「内側上部」→「外側下部」」→「内側下部」」→「乳輪部」という順で発生がしやすくなるとされています。日頃から、これらの部位の変化に注意してみましょう。

乳がんが発生しやすい部位

● 乳がんによくある乳房の症状
乳がんを疑う症状には、次のようなものがあります。もしいま、ご自身が気になっている胸の症状がある場合は比べてみてください。

・しこり(発生しやすい部位:乳房・わきの下)
・皮膚のひきつり
・くぼみ
・左右の乳房に大きさや張りの差が生じる
・片方の乳房の先がジュクジュクしている状態が続く
・片方の乳房の先から、色のついた分泌液が出る
・乳房のかゆみ
 など

 

乳がんと間違えやすい?3つの病気

胸に「しこり」がある=乳がん?と思いがちですが、なかには違う病気の場合もあります。次の3つの疾患には、乳がん初期と似た「しこり」症状があります。

乳がんをチェックする

● 乳腺症(にゅうせんしょう)
30~40歳代によくみられる疾患。女性ホルモンのアンバランスが原因のため、特別な治療を要するものではありません。
<症状>
乳房との境界がはっきりしていない、ゴリゴリとした「しこり」「痛み」「張り感」が挙げられています。また、生理周期によって、これらの症状が強くなることもあります。

● 乳腺炎(にゅうせんえん)
授乳中の女性に多い炎症性の疾患。授乳時に母乳が詰まったり、赤ちゃんが噛んで傷から細菌に感染したりという原因から、乳腺に炎症がおこるという病気です。
<症状>
乳房に「しこり」「腫れ」「痛み」「発熱」といった症状がみられた場合、乳腺炎の可能性が考えられます。その他、悪寒やリンパ節の腫れを感じることもあります。

赤ちゃん

● 線維腺腫(せんいせんしゅ)
10代後半から30代の女性が発症するケースが多い、良性腫瘍です。
<症状>
乳房との境界がはっきりしていない動く「しこり」を感じたら、この疾患かもしれません。痛みや発熱といった、しこり以外の症状がほとんどみられないのも、線維腺腫の特徴といえます。

セルフィー

このように乳がんの代表的な症状といえる「しこり」は、乳がん以外が原因で起こることもあります。大切なのは乳房の異変にいち早く「気づく」こと。気づいたら自己判断せず、専門の医師に相談してください。

 

まずはセルフチェック!自分でできる乳がんの確認方法

定期的にセルフチェックすることで、乳房の異変に気づくことができます。
毎月、日を決めて次のような方法でチェックしてみてください。タイミングとしては生理が終わってから1週間後くらいを目安に、乳腺の張りがなく柔らかなときに行うとよいでしょう。

● 乳がんセルフチェックの方法
乳がんのセルフチェックは、「目で見る(視診)」と「手と指で触る(触診)」の2つの方法で行ってください。

<目で見る>
上半身裸になり、しっかり見える鏡の前に立ちます。
次の3つの姿勢をとったときに、それぞれ乳房周辺の皮膚に異変(乳房の形や左右差の変化・ひきつれ・くぼみ・ただれ)がないかチェックしましょう。

乳がんセルフチェック 目で見る

1)わきの下が見えるように、両腕をあげる
2)両腕をまっすぐに下ろす
3)両腕を腰にあてる
4)乳頭を軽くつまむ(血や分泌物がでないか確認)

<手と指で触る>
あおむけで横たわった状態、もしくはお風呂で石鹸をつけて滑りやすくした状態で行うとわかりやすいです。

乳がんセルフチェック 手で触る

1)人差し指~小指をそろえて、小さな「の」の字を描くように乳房全体を撫でましょう。しこりや凹凸がないか、確認してください。
2)指先をわきの下にいれて、リンパ節にしこりや腫れがないか確認しましょう。

医療機関での相談

セルフチェックは、あくまで自己診断にすぎません。自分では見つけられない異変も存在します。定期的にマンモグラフィ検査や乳腺科での検診に行くといった健康対策を忘れないでください。

乳がんは、早期に発見すれば「治りやすいがん」だといわれています。だからこそ、早期の受診が重要です。そのために「自分で気づけること」としてセルフチェックがありますが、「自分では気づけないこと」ももちろんあります。
セルフチェックを心がけながら、医療機関での定期検診も忘れないようにお過ごしくださいね。

成田亜希子 医師
監修医師
成田亜希子 医師

・プロフィール
弘前大学医学部を卒業後、大学院では脳腫瘍をはじめとする癌の研究を行う。
国立医療科学院では感染症や生活習慣病などの公衆衛生分野の知見を習得。
現在は、内科医としてがんの臨床経験を積み重ねている。

・所属学会
日本感染症学会、日本内科学会、日本結核病学会、日本公衆衛生学会の各会員

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