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芸術の秋です。眺めているだけで癒されたり、パワーをもらえたり、アートには不思議な力を感じることがあります。治療や日常の慌ただしさに追われ、気持ちが少し揺らいだら、美術館へ出かけてみませんか?美しい建物や緑に囲まれた庭園があったり、疲れてもひと休みできるカフェがあったり…美術館そのものが心地よい空間であれば、さらに豊かなひとときが過ごせそう。 今回は心と身体を解き放つ、美術館をご紹介します。秋の風を感じながら、ぜひ足を運んでみませんか?
レトロとモダンが交錯する都心のオアシス
三菱一号館美術館(東京・丸の内)
JR東京駅から徒歩5分!体調が不安定な時も、気軽に立ち寄れる好アクセスが嬉しい美術館です。レトロな赤レンガの建物は、オフィスビルが立ち並ぶ丸の内エリアのモダンな風景に不思議としっくり溶けこんでいます。
明治時代に建てられた「三菱一号館」を復元
石づくりの階段、廊下のアーチや電灯、柱の彫刻や床のタイルなど、インテリアにも細部までこだわりが。都心にいることを忘れさせてくれるクラシカルな空間に佇んでいるだけで、心穏やかな気持ちになります。
クラシックで重厚な雰囲気の館内
「一号館広場」ではゆったり休憩も
なかでもぜひ足を運びたいのが、吹き抜けの天井が美しく、趣のあるミュージアムカフェ・バー「Café1894」。19世紀にタイムスリップしたような空間で静かなアフタヌーンのティータイムを。
銀行営業室として利用されていた空間を再現。
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2019年10月30日(水)~2020年1月20日(月)
「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」
モネ、ピサロ、シャガールの初期から晩年までの名品、シスレーやピカソの風景画など、他では見られない選りすぐりの72点が紹介されます。
三菱一号館美術館
https://mimt.jp/
刺激に満ちたアートとパノラマで非日常を体感
森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
六本木ヒルズ森タワー52階にあるギャラリーは、全国から人が集まるアートスポット。心と身体にエネルギーをたっぷりチャージすることができます。ここでは名だたるコレクションの企画展をはじめ、既存のアートの枠を超えた話題性のある展覧会が開催されています。
展示風景:「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」森アーツセンターギャラリー、2019年
心揺さぶられる作品に刺激を受けた後は、屋内展望台「東京シティビュー」へ。52階からの圧巻の大パノラマで、非日常の時間と空間を体感してください。
東京のランドマーク、六本木ヒルズ森タワー
ちょっと足を休めて、休憩はミュージアムカフェやラウンジで。気軽に利用できる「Cafe THE SUN」や、上質なひとときが過ごせる「THE MOON Lounge」では、ランチからアフタヌーンティー、ディナーまでさまざまなメニューが楽しめます。
「Cafe THE SUN」では展覧会や企画展のコラボメニューが登場することも
都内を一望できるラウンジ「THE MOON Lounge」
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2019年9月21日(土)~11月17日(日)
「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」
ジャン=ミシェル・バスキアは、80年代のアートシーンを席巻しながらも早逝した伝説の画家。世界各地から集めた約130点もの絵画や立体作品などで構成される日本初の大規模展です。
【詳細はこちらまで】展覧会公式サイト:www.basquiat.tokyo
森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
https://macg.roppongihills.com/jp/
緑の中に佇む洋館でお気に入りのアートに出会う
アサヒビール大山崎山荘美術館(京都・乙訓)
天王山のふところ、緑豊かな場所にひっそり佇む美術館。イギリス・チューダー・ゴシック様式が美しいレトロな洋館と、安藤忠雄氏設計による2つの建物、そして季節ごとに表情を変える庭園が広がります。大きく深呼吸して、ゆったりとした時間を取り入れてはいかがでしょう。
関西の実業家・故加賀正太郎氏の山荘を修復した本館
ステンドグラスや暖炉など美しい内装も見どころ
河井寛次郎、濱田庄司等、民藝運動ゆかりの作家の作品や、クロード・モネの「睡蓮」の連作をはじめとする西洋美術などユニークなコレクションが、企画展に合わせて展示されるのも魅力のひとつ。お気に入りの作品と出合うことは、自分の素敵な部分を再発見することにつながるかもしれません。
モネの「睡蓮」を鑑賞した後は庭園の睡蓮池へ
休憩には室内席とともに、テラスからの眺めが楽しめるオープンカフェもあるので、気候や体調に合わせて利用してみてはいかがでしょう?雄大な景色を見渡しながらフレッシュな空気に包まれてください。
三つの川と山々を見渡せるテラス席がおすすめ
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2019年9月14日(土)~12月1日(日)
「東山魁夷のスケッチ-欧州の古き町にて」
東山魁夷の欧州取材によるスケッチの数々を中心に構成。100点余りの作品が前・後期に分けて展示されます。欧州の古き町を作品とともに辿りながら、美しい風景を見つけてみませんか?
アサヒビール大山崎山荘美術館
https://www.asahibeer-oyamazaki.com/
人々が集う・楽しむ。開放感あふれるミュージアム
金沢21世紀美術館(石川・金沢)
関東や関西からもアクセスが良く、近年話題を集めている金沢の街。その中心部にある白くて丸い建物は、「まちに開かれた公園のような美術館」という建築コンセプトのもと、開放感にあふれ、全国から多くの人が訪れる人気のスポット。プチ旅行にもおすすめです!
愛称は「まるびぃ」。出入口が4つあり、自由に出入りできる設計
撮影:渡邉修 提供:金沢21世紀美術館
建物を囲むように広がる芝生では、作品やオブジェで遊んだりお喋りしたり、思い思いのままくつろぐ人の姿も。館内には「交流ゾーン」と呼ばれる無料エリアもあり、誰もが気軽にアートに触れることができるので、ご家族で訪ねるのも素敵かもしれません。
ガラス越しに外の景色と陽の光が楽しめるアートサークル
撮影:中道淳/ナカサアンドパートナーズ 提供:金沢21世紀美術館
明るく広々とした館内には至る所に椅子が設置してある
撮影:渡邉修 提供:金沢21世紀美術館
注目は、金沢の有名レストラン「メープルハウス」がプロデュースするレストラン「Fusion21」。ウエディングにも使われるというアートな雰囲気たっぷりの食空間では、モダンフレンチのランチやカフェ、ディナーが楽しめます。
ランチビュッフェが人気の「Fusion21」
提供:金沢21世紀美術館
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2019年9月14日(土)~12月19日(木)
開館15周年記念「現在地:未来の地図を描くために」[1]
多様化、複雑化する現代において自分たちの現在地がどこにあるのかを見据え、未来に向けてどのような地図が描けるのかを考えさせられる企画展です。
金沢21世紀美術館
https://www.kanazawa21.jp/
日本一の庭園で日本画の魅力を再発見
足立美術館(島根・安来)
16年連続で日本一に選ばれた名園を有する「足立美術館」。枯山水庭をはじめとする6つの庭園はまるで生きた日本画のよう。時間や天候によって刻々と変化する自然の姿。そんな移りゆく季節を愛おしむ気持ちに出合える場所です。
「生の額絵」と言われる館内の窓から見た庭園は、まるで一枚の絵画
アメリカの日本庭園専門誌の「日本庭園ランキング」にて16年連続1位に
色づいた自然の山々と人工の庭園との調和が美しい「枯山水庭」
庭園をたっぷり鑑賞した後は、横山大観をはじめとする日本画や、巨匠たちの名作の数々を堪能。ここでしか触れることのできない日本庭園と日本画は一見の価値あり。島根まで足を伸ばして”ジャパン・ビューティー”の真髄を再発見してみては?
横山大観 「紅葉」昭和6年(左隻・1931) 足立美術館蔵
休憩には、椅子席で気軽に抹茶が楽しめる茶室や、甘味メニューなどが味わえる喫茶室がおすすめです。庭園を眺めながら贅沢なひとときを。
「枯山水庭」を眺めながら香り高いコーヒーが楽しめる「喫茶室 翆」
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2019年8月31日(土)~11月30日(土)
秋季特別展〈改元記念〉「名画でふり返る 明治・大正・昭和の日本画」
横山大観、菱田春草、竹内栖鳳、川端龍子など、日本美術の歴史にその名を刻んだ画家たちの代表作を中心に、明治、大正、昭和を象徴する日本画36点が紹介されます。
足立美術館
http://www.adachi-museum.or.jp/